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「すごい…」
愛美は素直にその技術に感動の声を漏らした。
そういえばザビアの民芸品店で売られていたのを見た覚えがある。
そう思いながら躰を覆った布を眺めた。シースルーの透け具合が妙に艶かしい…
日本でいうところのコスプレに乗じた感覚だ。
余った両端の布を腰にカマーベルトのように巻かれ、飾り付けが終わる。仕上げられて大きな姿見に写されると愛美は自分のその姿に少しだけ酔っていた。
ただ、本場の国の女性には敵わない──
鏡を退かされて目の前にいた女のスタイルを間近にし、その出来上がりの差にがっくり肩を落とした。
たっぷりと揺れる肉感的な膨らみとくびれ過ぎた腰。
突き出した曲線を描く重量感のあるお尻はこの異国の地ならではだ。
ベリーダンスはこの躰の為に編み出されたんだろう──
比べること自体が間違いなのだと愛美は自分に言い聞かせ女達に促されるまま外に出向いた。
「整われましたか。では、食の間へ──」
外で待っていたアレフに言われ、愛美は後を着いていった。
夕陽が空を赤く染め、景色全体を美しく彩る。
遠くに目をやれば波打つ砂丘の黒いシルエットと炎のように燃えた太陽がまるで一つの絵画のようにその姿を現していた。
「素敵……」
愛美は一瞬何もかもを忘れてその絵に釘付けになった。
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