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フィルの後ろにはナサが立っていた。
しかし彼女の顔色は真っ青で、目はキツく弟を睨んでいた。
蒼はぞくりとしが、フィルはとても尋常とは言えない姉の表情に顔色をかえた。
「何?どうした、ナサ。」
床を蹴るようにして椅子から立ち上がる。
「お前がこんな顔をする時は、よっぽど何かあった時だろ。俺はわかるよ。」
そう唱えるように言うと、ナサの両肩を掴み、ぐっと自分に引き寄せた。
さすがは双子の兄弟。
お互いの事は一番よく理解してるに違いない。
蒼はほんの少しだけ羨ましくなった。
そして自分も彼女の方へ駆け寄る。
しばらくして、ナサのグロスたっぷりの唇が重たそうに開いた。
「今日の朝、
あいつにあったの。
"アクマ"にあったの!!!
同じ学校だったなんて、私ちっとも知らなかった…。」
消え入りそうな声で話あと、ナサはヘタリ、床に力なく座りこんだ。
「悪魔?」
蒼はフィルを小突いた。
「なぁフィル、悪魔ってなんだよ!?」
返事はなかった。
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