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「…」
フィルはストローをくわえたまま、少しの間だまりこくった。
が、大きな深呼吸をすると振り返って
「知りたいの?」
なんて見え透いた事を言ってきた。
実を言うと、人の知られたくないような話しに首を突っ込むのはどうかと思った。
それが過去に起こった話しなら尚更で、
「高校生になる」=「中学までの話はあまり聞き出してはいけない」
という定義に違反している気がしたからだ。
しかし、いらぬ好奇心があるのも、新しい友達ができたから。
「うん。友達の事は、何でも知っておきたいって思うんだ。」
目をちゃんとみて話せば、少しくらい伝わるんじゃないか。
フィルは顔を背けて笑った。
「ふ~ん。嬉しい事言ってくれるね。」
まるでちゃかしてるような返答。
「まじめに聞けよ。真剣だぞこっちは!」
「わかってるさ。アクマの話しだろ。
でも、むやみやたらに話したら、ナサが傷つくとは思う。
まぁ結構有名な話しだったからいいかもしれん。
それに、相手がお前だったら、ナサも良いって言うかもなぁ。」
あーあ…
フィルはそのまま背伸びをして、組んだ両腕を頭の後ろに回し、ごろんと転がった。
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