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「あのっ!…さっき俺の友達が、なんか大声を出してたみたいだけど…!」
蒼はその子の手首を掴んでいた。
その子と話たいと思う気持ちをナサが気になるからだと誤魔化しながら。
自分にしては、なんてすごい勇気だと思う。
「…何?」
「…だから、友達が…。怒鳴ってた理由を…――」
「そんなのその[お友達]に聞けばいいでしょう。」
彼女の声が、
だんだん雲っていくのがわかった。
「…ナサは、何も話てくれないから。」
嘘を吐いた。本当は自分から聞けないだけなのだ。
「じゃあ、あなたは私を助けてくれるの?」
「…え?」
蒼はそのまま固まって
動けなくなってしまった。
助けると言っても、いったい『何から』なのかわからない。
彼女が言っている意味も、はなから理解出来なかった。
でも
その子があまりに悲しそうに言うから
助けたいと思った。
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