朝、教室で

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「ナサは難しい所があるからさ。」 フィルは苦笑しなが再びベランダの柵にもたれかかる。 まぁ、何があったかは今日の夜中にでも聞いてみるよ。 「二人は双子だもんね。」 蒼は少しむくれて、いつものミルクティのストローを口に運ぶ。 きっとすれ違いが起きても、すぐに解決してしまえるんだろう。 「ナサはともかく、フィルは大人だ。」 ナサへの当てつけだ。 「大した違いは無いさ。」 そろそろ予鈴なるなっ。 フィルが窓から教室の時計を確認する。 気分がすっきりしない。もちろん悪魔の事もそうだし、ナサとフィルの絆の深ささへ、勘に触った。 このままでは、自分が欲している答えは決して見つからないだろう。 蒼はベランダのドアを勢いよく閉めた。
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