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夕飯も食べ終わり、今日はいつもより早くお風呂に入った。二階の暗い廊下を歩きながらタオルで髪の水気をとる。
フィルは姉の部屋の前で立ち止まると静かに一度、コンッとノックをした。
ナサには一度、ちゃんと聞いておきたい事がある。
しばらくしてドアが開くと、煩わしそうにして出て来る姉。そしてフィルを見たとたん、その表情はより一層深まったような気がした。
「昼間の話しの続きを聞きに来たんだけど。」
フィルは嫌な顔一つしない。ニッコリ笑って見せる。
機嫌の悪い姉の対処法など、とっくに学習している。
「…良いけど。いずれは言おうと思ってたから。」
ナサはやっと口許を緩め、フィルを自室に入れた。
★★★★★
まさか自分と同じ学校にあの『悪魔』が来ていたなんて。
その事実を知った途端、ナサはまだ寒気のする自分に嫌気がさした。もう過去の話しである。が、到底そんな理由では片付けられない事実だった。
過去に犯した罪は償うべきなのだ。
その考えは変わってないし、やはり変えるつもりはない。
ナサはある決心をした。
友達からやっと聞き出した情報を頼りに朝から1年7組に足を運ぶ。
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