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しかし春日は敵意どころか、少し焦っているようにさえ見えたのだ。
「雨宮さん?」
「…何。」
「話をしたいのだけど、明日の朝、どう?」
「……。わかった。」
二年前の雨宮春日はどこへ行ったのだろう。
気持ち悪いほど別人のようだと思った。
★★★★
七時半。指定した場所へ深呼吸をしながら入る。
すると、そこにはすでに春日の姿があった。窓際のイスに腰掛け、まだ朝日もそこそこな空の一点をじっと見ている。
ナサはまた違う意味で困惑した。敵意も感じなければ、覇気さえ感じられない。
「おはよう、雨宮さん。」
春日に向かって挨拶をした事が、今までにあっただろうか。
「…おはよう。」
ナサは酷くイライラした。なんだろう。春日は、春日は……
その瞬間、ナサの何がフれた。
「あなた、私に話かけられるのがそんなに不快なのっ?」
「…え…。…何。」
春日が慌てて振り替える。
「都合が良いのよっ!!全部あんたがやってきた事が悪いのよ!?なのにまるで、今は私が悪者のよう!!どうしてそんな…」
私をそんな目で見るのっ…?
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