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「あの……あまり使用していないアカウントを共有ボックス用に回してはどうでしょうか?
例えば……受付さんのひとりは、ビューワーを使用することはないですよね」
今度は、最初に依頼書を仕分けする受付の方に視線が注がれた。
受付は2名体制で、この御時世に郵送やFAXで送られて来た依頼分を仕分けしている。
1名がビューワーを管理し、もう1名は仕分けに専念している。
「それを空いている決まったPCで管理すれば、取った取らないの話にはならないと思います。例えば、此処とか」
目の前の社員さんの手元の、閉じられたままのノートPCを指差す。
この席は、ほとんど人が座ることもない、言わば余りの席。
「あ! その手があったかぁ! さすが」
「なるほど、若いからかな~頭柔らかいね、冴木さんは」
わたしの考えで大丈夫なのか、やや不安を残しつつ話したが、あっさり受け入れられた。
自分の考えが認められた時、いつも少し目頭が熱くなってしまう。
『若い』発言はよくわからなかったけど……みんな、わたしが入って来た頃と同じ、20代半ばのままだと思っているんじゃ……?
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