恋愛も仕事も先行き不透明

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課長に呼び出され面談が行われた。 「わかっていると思うけど、冴木さんは9月いっぱいで3年が経ちますね」 わたしはぎくりとした。 派遣社員にとって、3年は大きな節目。 直雇用になるのか、契約満了になるのか、道を分かつ時。 覚悟はしていたけど……最悪クビも考えられる。 課長の次の言葉を待つ間、心臓の音がどんどん大きく速くなって来る。 すると、課長の口から思ってもみなかった言葉が飛び出した。 「君さえ良ければ、正社員に推薦しようと思ってるんだ」 「……え?」 「君の仕事ぶりは他の社員たちからも定評があります。 もちろん条件はある。試験と面談を受けて貰わねばなりません。正社員になれば、責任も出て来るし、派遣やバイトさんの指導もして貰わなければいけない」 派遣から正社員になるだなんて、考えたことも無かった。 「この話を受けるかどうかは自由です。ただ、受けなかった場合、10月からはパートになるので、交通費は出ますが時間給が下がります」 「それは……要は給料が下がりますか?」 「おそらく」 正社員の試験と面談が7月末にあるらしく、6月末までに受けるかどうかを決める必要がある、それが面談の内容だった。 わたしは頭を殴られたような衝撃を受け、とぼとぼと廊下を歩いた。 正社員……こんなチャンスは滅多に無い……。 驚きを隠せず、呆然としていた。
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