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ショックを受けたような表情をしている成海くんに、静かに話し出す。
「あのさ……前から言ってるけど、彼氏のこと気にならないの? わたしが悪い女だったらどうするの?」
冷や汗を流しながら、成海くんを見つめ返した。
成海くんは、わたしの言葉が想定外だったのか、ぽかんと呆気に取られた後、吹き出した。
「悪い女って!!」
お腹を抱える勢いで、大笑いしている。
わたしは訳がわからなかった。笑うところじゃないと思うんだけど……。
「本当に悪い人は、そんなこと言わないよ。黙ってふたりと関係持って、甘い蜜吸うんじゃない? そんなこと出来ないでしょ、莉南さんは」
わたしを信用していて『莉南さん』と呼んでくれるのか。
また心臓を鷲掴みにされたようで、目頭が熱くなって来てしまった。
「……まっ、とりあえずご飯食べましょ!さっきから全然箸進んでないし。冷めちゃう」
成海くんはわたしの様子に気付いていたと思う。
気付いて、にこやかにおどけてくれた。
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