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わたしの身体は成海くんの腕にぎっちり抱かれていて、抵抗出来ない。
長いキス。
そして、舌が入って来た。
こんなの駄目……。
そう思うのに、身体が、彼を受け入れてしまう。
触れたところ全部が、成海くんが好きだって、言ってる。
いつの間にか、わたしの脚の間に、彼の脚が差し込まれている。
心臓はパンクしそうなほど高鳴って、止みそうもない。
気持ち良い……。
でも……わたし、まだ紘希と別れてない。
「ん……ふっ」
恋愛に溺れる感覚を、思い出した。
結婚とか釣り合いとか関係なく、ただ目の前の人が好きだと、求める気持ち。
そうか……とうに終わっていたのか、紘希との関係は。
あんなにキラキラ輝いていたわたしたちの日々は、既に過去なんだ。
その事実に気付いてしまった。
わたしの頬が濡れていることに気付き、成海くんが顔を離した。
わたしの目からは涙が溢れていた。
「……返事、してないっ、のに……」
わたしの顔を見た成海くんは困惑していた。
その隙に、成海くんの体をどんっと押し退けた。
それでもやっぱり、“好き”だけじゃ、一緒に居られない。
関係は、続いていけない。
「こんなっ妙齢の女子に手出して……覚悟出来てるんでしょーね」
きっと睨みつけると、衝撃の返事が来た。
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