最後の時間

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「3年間ありがとう。本当に、感謝してる」 精一杯笑顔を作って、滲みそうな涙を押し込めた。 「……うん、俺も。莉南と会えて良かったよ」 「上手く大切に出来なくてごめんなさい……。紘希はもっと、大切にし合える人と出会える。絶対出会える。わたしたちは、相応しくなかったんだよ……」 「……そーだな……莉南より良い女見つけるわ。まぁ、あんなガキより俺の方が良くなったら、連絡してきていーよ」 「しないよ」 わたしたちは、笑い合った。 一時は、後味の悪い別れ方をすることになるのかと落ち込んだけれど、最後に笑い合うことが出来て、本当に良かった。 駅で別れる時、最後に握手をして 背中を向けた後は、もう振り返らなかった。 この日、わたしたちの3年間が、終わりを遂げた。
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