再生

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そのまま盆に突入し、センターは営業していたが、人もまばらな日が続いた。 成海くんは実家にでも帰ったのだろうか、全くシフトは入っていないようだった。 盆が明け数日、センター長と課長の口から正社員登用の結果が発表されることとなった。 此処数ヶ月続いた三者面談も、今日は一段と空気が張り詰めている。 「冴木莉南さん。あなたを我社の正社員として」 息を飲み、センター長の言葉を待った。 「採用します。おめでとうございます」 「……っ! ありがとうございます!!」 やった……! お辞儀をして会議室を出た途端、足取りは軽く、飛び上がれそうな気分だった。 わたし、正社員になることが決まったんだ。 成海くん、あなたが背中を押してくれたおかげで……。 ほどなくして、成海くんの就職が決まったと、噂が広まった。 みんなが盛り上がっている中、わたしは若干落ち込んだ。 わたし、噂で知るなんて……その報告は、本人の口から聞きたかった……。 何だか辛くて、みんなの輪には入れなかった。 成海くんと会わなくなってから、何度泣いてしまったのだろう。 仕事を終え、ビルを出た時、また涙が浮かんで来る。 成海くん、会いたい。 ちゃんと、話をしたい。 連絡先を聞いておかなかったことを、何度も後悔している。 いつでも会えるなんて、高を括って、何もしなかった。 そんな保障はどこにもなかったのに。 次の出社は9月だった。 張り出されたシフト表を確認して、驚いた。
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