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何度も何度も、キスをした。
熱い熱いキス。
首筋を撫で、舌を絡め合い、時々見つめ合う。
何分経ったかわからない。
成海くんと、あの日出会った階段で
首に腕を絡ませ、髪を撫でて
ずっと、やめたくなかった。
さすがに人が来てしまいそうだったので、ビルを後にした。
衝動が抑えられないというように、ホテルへ向かった。
しかし、ホテルへ入ったものの、肝心な話を何も出来ていないことに気付いた。
「ちょっと待って……話、まだ出来てない……」
ベッドに押し倒された状態で、成海くんを上目遣いで見つめた。
「そうだね……じゃあ、話しながらゆっくりしよ?」
その言葉と、わたしの上から真っ直ぐ向けられた熱っぽい眼差しに、ときめいて心臓がきゅんっと締め付けられたのがわかる。
成海くんがカーディガンを脱ぎながら、腕をわたしの顔へ伸ばした。
「俺、もう限界来てるけど……絶対大切にするって、決めてたし」
髪にキスが降ってくる。
「……そんなに、想ってくれてたの……? ならどうして避けて……」
「一緒にいたら、自分抑えられる自信なかったもん。キスしちゃったし」
今度は少し拗ねたような表情に変わって、その姿がとても可愛くて、ますますときめいてしまう。
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