奇妙な扉

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届いていたはずの封筒を開き、ため息をつく。 また書類落ち。早く仕事を決めないと、履歴書と交通費だけでお金がなくなってしまう。 学生のとき、セミナーに出ておけばよかったと後悔しても遅く、先日はコールセンターの派遣を、試用期間の2週間で切られたところだ。 もっと自分らしく働けたら…… 何度思ったことだろう。 思い返してみると、私は昔から、就職するつもりで勉強をしていたわけではなかったし、自分が働く姿をきちんとイメージしたこともなかった。 おそらく。母も祖母も、伯母までもが専業主婦だったから、自分も同じような生活をするイメージしか持っていなかったのだろう。 正直、子育てをする自分、家事をする自分の姿なら、いくらでもイメージできるのに、会社で働く姿は、どうにもイメージが湧かない。 どうにも、こんな状態でいくら就活をしてみても、単にお金がないという不安からだけでは、誰も雇ってくれないだろう。 「あー、こんなんなら、就活なんて、もうやめてやる!」 そんなことを叫んで解決するわけでもないのに、ヤケになって叫んでみる。 親や周囲の視線は、いつまでも就職しない私に冷たい。 当然といえば当然なのかもしれないが、私は自分が何をしたいのか、さっぱりわからないのだ。 私の趣味といえば、ビーズのアクセサリーづくりとか、そんな手先の作業くらい。 こんなスキルが、一般の企業で役に立つとは、正直、思えない。 どうせ、私の人生に未来なんかない。 そう思ったら、自分の人生をめちゃくちゃに壊してしまいたくなってきた。 どうでもいい。最悪、それで死に至ったとしても。 結局、このまま同じような生活をしていたとしても、生き地獄を味わうだけだと思った。 それなら……
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