私の得意分野

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自動扉が開き、私は簡単に建物の中に招き入れられる。 建物に入ると、真っ先にカウンターが目に入る。けれども、そこにいたのは人ではなく、妖精たちだ。 「こんにちは。私はマリン。こっちにいるのは、ギースよ。ここの案内所の担当なの。よろしくね」 マリンと名乗った妖精のイメージカラーは青。 髪も服も、瞳まで青なのだ。アラサーくらいの女性で、おしゃれなドレスが素敵だ。 一方、ギースと呼ばれた案内妖精は、水色の髪に黄色いローブで、穏やかな表情の男性だ。 「さっそくだけど、この世界の説明をしよう。 ここは、大人として人間界にうまく馴染めていない人たちに、自分の持っている価値を見つけてもらう目的で設立された、魔法の国なんだ」 ギースが説明を始める。 「人は本来、探せば何かしらの素質を持っているはずなのに、人間界では、ある一定の能力だけが評価されがちで、その人が本来持っている魅力や才能に気づく機会を、妨げられていることがあるんだ。 自分の素質に気づけない、たまたま生まれてきた環境で馴染めない人たちを、僕らはここへ呼び出して、新しいチャンスを提供したいと思っている」 ギースの言葉に、私は、自分がなぜ、ここへ招かれたのかを理解した。 「というわけで、さっそく、2階で才能テスト開始よ! そこのエスカレーターで上がってね」 マリンが、こちらに向かって、ウインクしている。 同じ人間なら、これほどの美女には羨望や嫉妬を感じるところだが、小さいので、単純に、かわいらしい。
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