思い出ごと抱きしめて

重なる面影

意味深な一言にどきりとした。

「えっ」

私の動揺を見透かしたみたいに、藤坂さんは強いまなざしで見つめている。

「今はあまり好意的に思われてないみたいだけどね」

思わず息を飲んだ。

このまなざしを知っている。

強い意志を宿したときの直人とそっくりだった。

息が苦しくなりそうなほど、心臓が早鐘を打ち始めた。

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