大切な人

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さあ行こうかと、直人にエスコートされて人波に合流していく。 混んでいるエレベーターに乗り込み、窮屈にならないように私の周りに空間を確保してくれる様子に少しずつ、不信感は薄れていった。 近くで見ると、左目の目じりに泣きぼくろがあった。 これがこの人の憎めないところなのかもしれない。 「大丈夫?」 「はい」 泣きぼくろを見つめていたのがばれたのかと思ってすぐに目を逸らした。 各階で少しずつ人が入れ替わり、目的の階に到着した。 エレベーターを降りると、すぐ目の前に星空を写した大きなパネルがあり、そこには瀬川直人写真展と大きく書かれていた。 .
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