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さっきというのは、公園で撮った写真のことかと尋ねると、もちろんそうだと言われた。
「それはちょっと……」
「どうして。あれ気に入ったんだよね。たぶん今までで１番の出来だと思う」
そこまで気に入ってくれたのならと、顔がはっきりわからないものだけという約束で許可することにした。
まんまと嵌められた感がないとは言えない。
それでもそのこと以上にこの写真展に来られたことが、私の運命を大きく変えたような気がした。
たった１時間前に知り合った胡散臭い男が、実は有名な写真家だった。
そんなドラマのような出会いがあるとは信じられなかった。
それでも写真展を一通り見終わったころには、直人は胡散臭い男からちょっと変わった芸術家という印象に変わっていた。
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