大切な人

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ただもしまた直人の写真展を見つけたら、見に来ようと思う程度には直人の写真を気に入っていた。 「せめて連絡先くらいは聞いてもいいだろ」 切なく見つめる直人に笑顔で首を振って、そのまま背を向けて歩き出した。 背中越しに明日もあの公園にいると言う直人の声が聞こえた。 翌日、どうしても別れ際の直人の声が忘れられず、また仕事帰りに公園に来ていた。 あたりは夕焼けに染まり、公園には誰もいない。 昨日と同じ桜の木に歩み寄ると、近くでシャッターを切る音がした。 「来てくれると思ってた」 それは紛れもなく直人だった。 .
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