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そんな風に熱く語られても、私自身直人との出会いが運命かどうかはわからない。
ただ初めて会った人なのに、写真展について行ってしまうくらいにはなにかを感じた気もする。
それが運命かどうかは抜きにしても。
そして今日もまたこの公園に来てしまった。
「きっと君にもすぐわかる。わかるまでいくらでも待つよ」
撮影のために何時間でも待つ忍耐力には自信があると言う。
直人のさっきまでの力強いまなざしが一気に穏やかなものに変わった。
手首を掴んでいた手も離された。
それでももう直人に背を向ける気にはなれなかった。
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