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あの日撮影が順調に進み、もうすぐ帰れそうだという直人からのメールを受けて、兄に結婚の報告に行くときに着る服を買いに出かけた。
駅前のデパートを目指して歩いていると、スマホがカバンの中で着信を知らせた。
信号待ちでカバンから取り出すと、親友の泉川すみれからの電話だった。
なんの躊躇いもなく通話ボタンを押す。
「もしもし」
「もしもし、彩? 今どこ?」
「今駅前だけど」
「そんなところでなにしてるのよ。ちょっと今すごいニュースやってるんだから」
すみれはテレビ局に勤めているため、情報には長けていた。
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