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退院してすぐに勤めていた会社に連絡を入れると、倒れたときに兄の真治が連絡をしてくれていたようで、とても心配してくれていた。
それでもすぐに仕事に復帰する気になれず、しばらく休ませてもらうことにした。
次第に今日が何日で、何曜日なのかもわからなくなっていく。
それでも私の部屋の外は何事もなかったように日常が過ぎていった。
朝目が覚めても、横に寝ているはずの人がいない生活は、私が立ち直ることを拒む。
ほとんど食事が喉を通らなくなり始めたころ、とうとう兄がしびれを切らした。
部屋にやってくるなり、コーヒーを淹れる隙も与えず、とりあえず座れと促した。
兄夫婦を目の前に、なぜか正座をしている私。
なにを言われるのかとちょっとドキドキする。
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