心の隙間に

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「彩ちゃん、この仕事向いてるんじゃない?」 「そうかな?」 ただただ必死で接客していただけだったので、向いていると言われてもピンとこない。 学生時代にアルバイトをしていた経験が役に立っただけ。 それでも久しぶりにはっきり声を出したような気がする。 最近笑うこともあまりなかったので、笑顔で接客できているかは少し気になったけれど、久しぶりに体を動かすことは楽しかった。 少し客足が落ち着いたころ、ようやく琴乃さんとゆっくり話が出来た。 お互いに次の来客に備えながら立ち話。 兄が厨房からちらちら窺っているけれど、聞こえない程度の小さな声で盛り上がった。 .
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