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藤坂さんは直人のことを知らないのだから仕方がない。
そうわかっていてもやはりさっきの言葉はかなり応えた。
あの顔で言われたから、尚更衝撃的だった。
もう会えないということは別れたと同じ。
別れていないとは反論できなくて。
きっと突然走り出した私を見て、藤坂さんは驚いただろう。
泣いてしまったことがばれていなければいいのだけれど。
次どんな顔をして会えばいいのだろう。
出来れば会いたくないな。
そう思えば思うほど、遭遇してしまうもので……。
家を出る時間を5分遅らせたのに、翌朝のエレベーターで、また遭遇してしまった。
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