大切な人

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一気に怒りを鎮めたすみれは、次に話す内容を躊躇っているようだった。 しかし先日聞いた内容に訂正があるようには思えなくて、こちらから切り出した。 「やっぱりあの話、本当なんだよね」 「うん」 「そっか……」 連日ニュースになっていたとすみれから聞いても、入院していた間は記憶を失っていたので、テレビを見ることもなくまだ実感できずにいた。 今夜家に来ようかと言ってくれたすみれに、今日はひとりでいいと断り電話を切った。 「あの話ってなんだよ」 横で話を聞いていた兄は、まったく理解できずにもやもやしている。 .
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