陸上

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二人の出逢いは輝く記憶。 あさひし高校。マラソンの名門学校で有名な共学の私立高 校だった。 今年も陸上部には、才能がある一人の女学生が入学してき た。 彼女の名はトヨダミユウと言った。 高校一年生で中学生の頃からその才能を発揮して、認めら れていた。 彼女は陸上部にはいり遺憾なく才能を発揮していた。 ただ、ここ一ヶ月ほど、不調が続いていた。 彼女はただ、才能に恵まれた子ではなかった。 誰もいないとろでいつも必死に練習をして磨きかけられた 才能だった。 幼い頃、TVでスポーツの番組を見ては、特にマラソンが大 好きだった。 活発な子で、運動するのが好きで、小学校の頃、体育祭で 初めて一番をとった感動がすごく嬉しくて、その道を目指 すようになった。 その時から彼女は日々の努力をしていたが、誰にも言わな かった。 時には、自分で目指したハードルの高さに辛くて涙を流す 日もあった。 だが、彼女は諦めずに夢を見ていた。 大人になったら誰よりも速く走る選手になりたかった。 そのな思いも、やっと、実を結びかけていたが、 最近、自分の力に限界を感じていた。 誰かに相談したかったが、自分の弱さを誰かに見せること が彼女にとって、屈辱的であり、いつも明るく振る舞いな がら自分の本当の気持ちを無視して今まで来てしまった。 他人に弱さを見せるのは良いことだ、とは思っていたが、 変なプライドか邪魔をして、どうしても言えなかった。
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