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生き生きとした緑の葉っぱを身にまとっている空の下の笑顔の樹の高さは、私の身長の五倍以上。幹の太さは、八十センチくらい。数え切れないほどの枝が空に向かって伸びている。
私の目の錯覚かもしれないけど、幹の表面の模様が人の顔のように見えて、まるで優しく微笑んでいるかのように見える。
「とっても優しい感じの樹ですね。私も空の下の笑顔の樹が好きになりました」
「気に入ってくれて、すごく嬉しいです。空の下の笑顔の樹の下に座って、空を見上げましょうか」
「はい。このハンカチを敷いてください」
「どうもありがとうです」
私が手渡した花柄のハンカチを笑顔で受け取ってくれた優太さんと空の下の笑顔の樹の下に座り、眩しい青空を見上げた。
電車の音も車の音も人の話し声も足音も聞こえない。本当にのどかな丘だと思う。
「優太さん、お腹が減っていませんか?」
「はい。ペコペコです」
「リュックサックから、駄菓子を出しますので、ちょっと待っててくださいね」
「はい。ご馳走になります」
穏やかな表情で青空を見上げている優太さんに、うまい棒を十本と五円チョコを二十個手渡して、私もさくさくのうまい棒とあまーいあまーい五円チョコを食べてみた。
「景色の良い場所で食べると、いつもの何倍も美味しく感じられますね」
「はい。うまい棒も五円チョコも、いつもの何倍も美味しいです」
私が家から持ってきたうまい棒と五円チョコを、とっても美味しそうに食べている優太さんは、まるで遠足に来た少年のよう。
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