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お腹も心も満たされ、夏の終わりを告げる爽やかな秋風を全身で感じながら、のんびりと青空を見上げているうちに、遠くの空がオレンジ色に染まり始めてきた。
「だいぶ日が沈んできましたね。あの美しい夕焼け空と空の下の笑顔の樹を背景にして、菓絵さんの写真を撮ってもいいですか?」
「いいですよ」
「どうもありがとうです。すぐに撮影の準備をしますので、そのまま座っててください」
優太さんは勢いよく立ち上がり、緑の芝生の上に三脚を設置して、私の写真を撮る準備を始めてくれた。
「私も麦わら帽子を被ったほうがいいですか?」
「はい。被ってみてください」
「それでは被りますね」
私も麦わら帽子を被って立ち上がり、空の下の笑顔の樹の真横に立ってみた。
こんなに大きな樹の横で写真を撮ってもらうのは初めてなので、どんなポーズにしようか迷ってしまう。
私は悩みながら考えて、空に向かって伸びている空の下の笑顔の樹のように、両手を空に向かって高く上げて、エイドリアーン! と心の中で叫んでみた。
「それでは撮りますね」
「はい!」
私は両腕を上げたまま返事をして、優太さんのカメラに向かって微笑んだ。
自分の顔は見えないけど、ものすごい笑顔になっていると思う。
パシャ! パシャ! パシャ! パシャ! パシャ!
爽やかな秋風に運ばれてきた優太さんのカメラのシャッター音。とっても心地よく聞こえた。
今日の写真の背景は、私の駄菓子屋ではなく、空の下の笑顔の樹とオレンジ色の夕焼け空。どんな風に写ったのか楽しみ。
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