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「今日は、ハイキングに行ってきたんです」
恥ずかしがっている私の気持ちを察してくれたのか、優太さんはデートとは言わないでいてくれた。
「ハイキングですか。いいですねえ。ご注文はお決まりですか?」
ラーメン屋さんのおじさんも、私の気持ちを察してくれたのか、私と優太さんの関係に首を突っ込まないでいてくれた。
「僕は、チャーシューメンとチャーハンと餃子にします」
優太さんもお腹がペコペコのようだ。
「私は、味噌ラーメンと餃子とレバニラ炒めにします」
一度にこんなに注文したのは私は初めて。
「二人とも、お腹がペコペコのようですね。すぐに作りますので、少々お待ちを」
優太さんと私の注文を聞いたラーメン屋さんのおじさんは、にっこりと微笑んでから、いつもの調子で料理を作り始めてくれた。
「菓絵さん、生ビールで乾杯しませんか?」
優太さんはコーヒー牛乳しか飲まないと思っていたので、私はちょっと驚いた。
「あ、はい。乾杯しましょう」
厨房で鍋を振るっているラーメン屋さんのおじさんに生ビールを注文して、ふわふわの真っ白い泡が山盛りになっている生ビールのジョッキをカチンと合わせて、優太さんと乾杯してみた。
「いただきます」
よく冷えた生ビールが、ペコペコのお腹に染み渡ってくる。とにかく美味しい。最高に美味しい。こんなに美味しく感じられるのは、よく歩いたからだと思う。
駄菓子屋を切り盛りするようになってからの私は、家飲みが多くなってしまい、飲み会にも行かなくなってしまったので、こうしてラーメン屋さんで生ビールを飲むのも、男性と一緒に食事をするのも、かなり久しぶりのこと。
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