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ふらふらと考え事をしながら、いつの間にか家に着いていた。
あ、
そういやぁ、家に連絡してなかった。
まさか、泊まりになろうとは昨日は思ってもなかったし。
この歳で朝帰りが恥ずかしいっ!怒られる~!
…なんて事はないので堂々と玄関を開けるが、連絡しなかった事には少しだけ罪悪感が…
朝と言っても、もう10時。
日中は玄関のカギは開けっぱなしだ。
大丈夫か?うちの防犯。
「あら、誠、遅かったわね?」
「あ、母さん、おはよ。連絡忘れた、ごめん。」
「いいのよ。」
そういいながらオレをジーッと見つめてくる。
「シワシワのヨレヨレ…。女じゃなさそうね?」
…母よ。心の声が思いっきり出てますけど。
なんだろ?この敗北感……
「シャワー浴びてきなさい。もう、図体ばっか大きくて…」
「へぇ~い。あ、コレ、アイロン掛けといて?」
シワシワのスラックスを指差すと
「五百円っ!」
「はぁ?カネ取るとかある!?」
「相場よ!」
チッ。
それは、クリーニングでしょ?
母はスラックスはもちろん、ワイシャツのアイロン掛けもプロ並みに上手い。
まさに主婦の鑑だ。
とは、照れるから言わないけど。
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