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「……阿部の作品は、こんなに身近にあったのですね」
微笑むような頬には紅が差し、体温まで感じそうであった。
小さな子供の顔で、笑顔のままずっと神輿の中にいたのか。
この子供も、無事に成長していれば、
もしかしたら俺と級友になっていたのかもしれない。
「どうしましょうか……ご神体ですけど、死体遺棄でしょうか?」
相澤も処理に困ったのか、写真を撮るとどこかに送信していた。
「専門家に見て貰ってから決めるよ」
勘違いでは騒げない。
俺は、そっと扉を閉めた。
又、店の販売員に戻ったのだが、どうにも神輿が気になる。
中はミイラだというのに、佳親は神輿の乗り方を俺に教えてくる。
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