第十章 宇賀神二

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「……阿部の作品は、こんなに身近にあったのですね」  微笑むような頬には紅が差し、体温まで感じそうであった。 小さな子供の顔で、笑顔のままずっと神輿の中にいたのか。  この子供も、無事に成長していれば、 もしかしたら俺と級友になっていたのかもしれない。 「どうしましょうか……ご神体ですけど、死体遺棄でしょうか?」  相澤も処理に困ったのか、写真を撮るとどこかに送信していた。 「専門家に見て貰ってから決めるよ」  勘違いでは騒げない。 俺は、そっと扉を閉めた。  又、店の販売員に戻ったのだが、どうにも神輿が気になる。 中はミイラだというのに、佳親は神輿の乗り方を俺に教えてくる。
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