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「っていうか、あなたは驚いたり、叫んだりしないのね?」
ふと、“マイコさん” は感心したようにまじまじと花音をうかがう。
「…?…あぁ、ご自分が生きていないことにお気づきなのですね?」
「まぁね。だって、触れないし?会話出来ないし?何て言ってもこの学校から離れられないのよ!嫌でも気づいちゃうわ」
もう、諦めが入ったようにおどけてみせる。
「それは確かに…。あと、僕は元々“視える”人なので……物心ついた頃から」
「それは、御愁傷様……なんか、あたしの大切な人も小さい時から“視える”側だったから苦しんだって言ってたなぁ」
「小さい時は苦労しますね。でも、僕は大切な人の為に使えるかもって思った時からこの体質に感謝しましたよ」
強い笑顔で言う花音に彼女は、微笑んだ。
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