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「ところで、そろそろマイコさんやめない?あたし、柳(やなぎ) って名前あるのよ?」
胸を張って主張する彼女に、花音も続く。
「それは、申し訳ありませんでした。因みに僕は花音と申します」
「花音ね。なんか、聞いたことあるような……最近物忘れが酷いのよね~。さっき言った大切な人も誰なのか忘れちゃって……どうなるのかなぁ~
あたし…」
明るかった少女はふと、不安をもらした。
「では、センセイに相談してみてください。手助けしますよ?」
「センセイって……もしかしたら、あたしより年下かもしれないのに?」
「それでも、貴女は生徒。僕は教師ですよ?」
着ている服を指差し、意地悪な笑顔をむける。
「そりゃぁ、ねぇ?」
「では、まず、心残りはなんですか?」
唐突にはじめた質問があまりに直球なのに思わず柳は転けてしまった。
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