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梅雨時期には珍しく澄んだ青空が広がっている。
放課後二人は通学路の途中にある公園にいた。
直径1mはありそうな大樹の下で無言で立っている。
これまた珍しく二人の他には誰もいない。まるでこれから何が起こるか察知してこの場を離れたような気さえ感じさせるほど静かである。
しかしこの静寂は間もなく破られる。
「来たよ」
最初に口を開いたのは道也だ。
「久しぶりだな。急にケリ付けたくなったのか?」
そう言いながらやってきたのは細身で長身、体格は道也と同じくらい。髪は金髪で真上に突き上げ目も細く少し釣り上がっている。
「まぁ、ちょっとワケありでね。今日は引き分け無しで最後までやらせてもらうぜ!」
「ワケなんかどうでもいい!おまえのそのナメた態度を今日こそ後悔させてやるぜ!!」
「まぁ、ほどほどにね」
道也の言葉と同時に二人の勝負は始まった!
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