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出発の朝がやってきた
真護の目は真っ赤に充血し眠れなかった事を伺わせる
「真護ー!早くしないと学校遅れるわよ!」
「………わかってるよ」
母親の声を噛み締めているようにも見える
「あれ?父さんは?」
「今日から出張だからとっくに出たわよ。
昨日言ってたじゃない?」
(そうだった!じゃあもしかしたら父さんとはもう……)
そう思いかけてやめた
あの爺さんの事は信じてないと自分に言い聞かせるために…
「いつまでのんびりしてるの!」
その声に我に返って時計を見ると……
「や……べぇ!!!」
「行ってきます!」
慌てて家を出ようとした時
「気をつけてねぇ」
……………………足が止まった
「うん……」
最後にはしない!!
その決意は紛れも無い真実だった
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