9人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
「少し話が逸れたの…」
再び老人は続けた。
「結論から言おう、ここがお主の世界でない場合この瞞しの門をくぐれば二度とここには戻れぬ」
「なっ……」
「じゃがここがお主にとって真の世界であれば今までと何ら変わりなく同じ日常がまた始まる」
「多少、割愛させて貰ったが説明は以上じゃ」
その時、学校のチャイムが耳に入ってきた
「あっ!」
そう、通学途中である
「じいさん!この門いつまで開いてるんだ?」
「なんじゃ?」
「俺、学校に行く途中だったんだよ!今すぐ決めろったって無理だから…だからいつまで開いてるんだ?」
「ふむむ…何だかよくわからんが明日のこの時間が限度じゃな」
「わかった!明日の朝までだな?それまでに絶対決めるよ!」
そう叫ぶと真護は学校に向かって全力で走り出した
「ならば、決心がついたら呼ぶが良い…ワシの名は欺旋(ギセン)」
その言葉の届くが先か老人は瞞しの門と共に姿を消した
最初のコメントを投稿しよう!