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 細い指先がフォークを取りあげる。大きな頭つきのエビフライの尻尾の部分にぐっさりとフォークが刺さって、頭の部分を指でむしりとる。あれと思った瞬間にエビフライが持ち上がって半分が朔の口の中に消えた。  綺麗な顔して、食べるのはめちゃ大胆。  じろっと睨まれて、笑いをかみ殺す。  もぐもぐと噛みながら朔が俺を睨んでいる。ごっくんと海老を飲みこむと、俺を睨みながらスプーンがとろとろのオムライスに刺さる。 「ナタさんが、オレの食い方、欠食児童みたいだって……似合わないって言うから」 「あー。それで食事行くの嫌だった?」  むっつりと頷くと、ざくざくとオムライスにスプーンを突き刺す。 「さっきのクリームソーダで、なんかもうどうでも良くなったけどな」 「別に、似合わないとかじゃないだろ……ちょっと大胆だけど」 「意地汚いって感じだろ?」  自棄になったみたいに、朔が大きくすくったオムライスを口に運ぶ。 「いや、うまそうでいいよ」  嘘つけって不機嫌そうな顔が一瞬固まって、ごくんとオムライスを飲みこむ。 「うわ、おいし」 「だろ?」 「なんだこれ、ふわとろでデミグラスソースが絶品」 「店の自家製らしいんだけど、うまいよな」
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