甲斐甲斐しい幼馴染と私、その一幕。

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「……人間」 「にんげん?」  目を瞬いて首を傾げた幼馴染に、私は観念して自分の辿った思考を話すことにした。  ストレスで胃をぶっ壊して病院行きになり、またも幼馴染の好意に甘えることになった自分の軟弱さを嘆いてちょっとアレな思考に行き着いた末のことなので、正気で解説するのは結構な羞恥プレイなわけだけど。  心も体も弱っていて、多少正常な判断ができなくなっていたから話してしまったんだろう、というのは後々に思うことだったりする。 「……人間じゃなくて、なんかもっと丈夫な生き物だったら、こうやって何度も倒れたりしないで、仕事もバリバリできるだろうし、君にも迷惑かけたりしなくて済むんじゃないかなって思って」  かろうじて仕事に穴を空けてはいないけど、それも時間の問題な気がする今日この頃だ。ゆっくりと全快するまで休養なんてできないから当然の帰結ではあるけど。
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