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「じゃあ、夕方には戻るから」
リビングのソファーに座りテレビを観るユキに声を掛ける。
でも振り返るどころか何の返答もない。
「いい加減、陽花(ハルカ)を離してよ」
何の反応もないユキに諦めて前に回り込む。
ユキの膝の上には2歳になったばかりの陽花が居て、しっかりと抱き締められている。
「別に陽花を連れてかなくてもいいだろ?たまには1人ゆっくり楽しんでこいよ」
知らない人から聞いたら優しい旦那さまなのかもしれないけど、別にそういうんじゃない。
ただ単に容子の息子の凜太郎に会わせたくないだけ。
「もう容子に連れて行くって言ってあるんだって。諦めて陽花を離して。ほら陽花、お出かけしますよー」
半ば強引にユキの腕の中から陽花を取り上げる。
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