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それから暫し、料理を食べながら咲穂の会社の話や他愛もない話をした。
神崎の奥さん、美月さんが一緒に考えてくれただけあって料理の栄養バランスがよく、妊婦の咲穂にもちょうど良いものだった。
「ちょっと体重制限引っかかりそうで心配だったけど、これなら大丈夫そう」
なんて言いながら咲穂は調子に乗って少し食べ過ぎてしまったようだ。
あまり長居をしてもと小一時間ほどで食事を済ませ、帰ることにした。
「じゃあ、また」
「ああ。今度は会うときはサキちゃんお母さんだね。生まれたら連絡して彼女と見に行くから」
「はい、待ってますね」
少し名残惜しそうな咲穂に苦笑いしつつ、俺たちは神崎の店を後にした。
可哀想だけど咲穂はしばらくココに来ることはできないだろう。
でも育児も少し落ち着いたら、また一緒に神崎の店に行こう。
少し気落ちしたようにも見える咲穂の横顔を見て、そう思った。
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