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「すみません、遅くなってしまって。で、咲穂は」
慌ててお義母さんの方へと駆け寄るが
「えっと、それがね……」
複雑そうな笑みを見せた。
「――え?」
違和感を覚えつつお義母さんに連れられて咲穂の待つ病室へと入ると
「ごめーん。ユキを待とうと頑張ったんだけど、無理だった」
第一声に聞こえたのは軽い感じの咲穂の声だった。
思ったより咲穂が元気そうなのを見てホッとしたのと同時に
「マジか……」
立ち会えなかったことに落胆してしまった。
この日のためにビデオカメラも買い備えていただけに、ショックを隠し切れなかった。
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