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私は、彼にもう一つ質問をした
「あの、住む家とかはどうするんですか?」
私がそういうと、彼は少し困ったような顔をした
「僕、親も親戚もいなくて」
「えっ、」
「もしかして、亡くなったり・・」
私は、小さい声でそういうと彼が
「いえ、僕は養護施設で育ったので親の顔を知らないんです」
私は、その言葉を聞いた後何も言えなくなり
私が口を閉ざしていると
「そんなに暗くならないでください」
彼は、私に微笑みかけてくれた
その笑みに私はまた顔が熱くなりそうだったけどなんとか抑え
そして、私は
「もし、桜木さんが迷惑でなければ私の家に住みませんか?」
私は、今すごいことを言ってるんだろうなと思った
だけど、私は今すごく桜木さんを助けたかった
そして、彼は驚いた表情をして
「いいんですか?」
「はい、私、一人暮らしが初めてでいろいろと怖くて・・その、よかったらですが」
私は、小声で彼に言った
「ありがとうございます」
そして彼は私の前に来て
片膝をつき、そっと私の前に手を出して
「それでは、そのお礼に貴方の執事にならせてはいただけませんか?」
と私に問いかけてきた
その顔は、今までとは違うにこやかな表情で私を見つめていた
私は、桜木さんの手を取って
「はい、こんな私でよければよろしくお願いします」
私は、桜木さんみたいに、にこやかな表情とまでにはいかないけど
私は私なりの笑顔で桜木さんの顔を見つめた
桜木さんは、私の返事を聞いた後
私の手の甲にそっとキスをして
「かしこまりました、奏お嬢様」
と言い、にこやかな表情で言った
それは、まだ桜が満開の4月の頃
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