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「なんだ…我慢できないのか?」
近づいてきたイリスの手を掴み、手を重ねたままで手を動かす。すでに快楽に溺れるイリスは、絶頂へと向かい息を荒げていく。湯に濡れて黒髪を振り乱し、淫蕩な表情を浮かべている。愛しく思えるイリスの肌に唇を這わせていく。
「んんっ…うっ…んあ――っ…」
快楽を与え続けられる身体は、一定の速度で動く手に導かれて絶頂に到達すると身体を跳ねさせて、湯の中で達した。欲望を発散すると心地良い自分より広く逞しい胸に頭を預けて息を整えている内に、意識が薄れていった。
「イリス…っ…」
眠りに堕ちていくイリスを見つめるリュードは、抱えている腕に身体を預ける者を大事そうに抱えたままで浴槽から上がり壁に掛けられた黒いシルク生地のローブを力で寄せて、手を使わずに瞬間で着替えるともう一枚のローブをイリスに掛けると風呂場を出ていった。
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城の一階の中央に在る広場には魔物や魔女達が集まっていた。皆の視線の方向には数段の階段があり、その上に一つの王座が置かれている。魔界を統べる王の座る場所だが、未だに姿を見せない。
普段はあまり集会などなく、サバトと呼ばれる時々行なわれる乱交パーティの様な事で集まる事が殆どの楽しみになっていた。
「皆、集まっているか…?」
金色の髪をポニーテールに束ね、神々しい美貌に逞しい身体に黒色のシルク生地のローブを纏ったリュードが姿を現した。
「お帰りなさいませ、リュード様…」
魔女達はリュードの登場に目を奪われてしまう。
リュードは魔界ではかなりモテているが、本人が気に入るモノはあまり居ない。
「噂で聞いたのですが…人間を魔界に連れてきたというのは本当ですか?」
魔物の一人がリュードに問い掛けた。
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