Calciatriceな少女たち

いざ！女子サッカー

　クラスメイトが爆笑する中、何事もなく話を続けようとする朋美に対し、ゆかりは只々唖然とするばかりだった。
　いや、全く動じる事なくブレない朋美の態度に、ある意味、感心すらしていたのだろう。
「まぁ、いいわ…それより、女子サッカー部の話よね」
　マイペースな朋美に調子を狂わされたおかげで、すっかりと頭が冷え、ゆかりは落ち着きを取り戻していた。
「そもそもさぁ、ゆかはさっきから女子サッカー部って言ってるけど、まだ学校からは認可も貰ってないんだよね？」
　朋美の言う通りだった。
　女子サッカー部設立とは言っても、実際はゆかりが勝手に宣言しているだけで、未だ学校への申請すら済ませてはいない。
「だ～か～ら～、朋の力が必要なんだよぉ…朋ぉ、お願い！一緒に女子サッカー部やろうよぉ」
　心強い協力者が欲しいのは勿論だが、何より、朋美のボランチとしての才能をゆかりが一番に理解してる。
　だからこそ、これから作る女子サッカー部には朋美が絶対に必要なのだ。
「はぁ…毎度の事ながら、ゆかはどうして、こう先走ってばかりなのかなぁ…」
　溜め息を一つつくと、あきらかに朋美は、呆れ顔でゆかりの方へチラッと視線を向ける。