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瞬間、後ろ手に一本でまとめた朋美の髪がフワッとたなびく。
「──まず、部活として学校から認可を貰って、顧問になってくれる先生を探すところからだね!部員集めはそれからだよ」
これからなすべき事を、簡単に順序立てて行く朋美。
こうしたところは、一辺倒で猪突猛進になりがちなゆかりとは、ひと味違う。
「え?じゃあ、朋も一緒にやってくれんの…女子サッカー部…」
ゆかりが確認すると、朋美は諦めた様子で答える。
「仕方ないでしょ!ゆか一人じゃ危なっかしくて見てらんない」
「あはーっ!やっぱ、持つべきものは友達だよ。さすが、アタシの相棒だ」
これも、くされ縁のなせる技と言うべきだろうか。
二人はいい意味で、お互いに足りない部分を補う対照的な存在なのだろう。
「とりあえず、坂崎先生に相談してみよ」
朋美の提案に従い、ゆかり達はサッカー部顧問の坂崎に今回の一件、女子サッカー部設立の相談を持ち掛ける事にした。
善は急げ、そうと決まれば職員室にレッツゴーだ。
とにもかくにも、ゆかりと朋美の二人は女子サッカー部設立に向け、動き出したのである──
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