12人が本棚に入れています
本棚に追加
/220ページ
ギースは爆発の衝撃で後方に飛ばされ、地上に落ちた後も転がって行った
飛ばされた衝撃で数分の間気を失い、漸く意識が戻って頭を振って前を見みれば
目の前の景色にまた気絶しそうなほどに頭が真っ白になった
「お・・・・い・・・、うそだろ・・・・・・?」
先ほどまで乗っていた車はクライスが投げた火によって爆発、大破した
中をよく見ようとしても火の勢いが凄まじく、遠目でも熱くて凝視できないほどだった
ふと、周りを見てみれば、爆発の衝撃で吹き飛んだのか誰かの腕がそこに転がっている
それを見てギースは戦慄を覚えた
「・・・・・・・誰か!返事をしやがれ!」
ギースは大声で叫びながら周りを走り回る
その中で先ほどと同じく爆発の衝撃で飛び出している顔見知り達の亡骸たちが否応なく目に飛び込んでくる
「誰か!生存者は・・・・、生きてるやつは!」
それでも必死に探せば四肢があちこちちぎれているがまだ息をしている部下を見つけた。
ギースが急いで抱き上げて声をかけると、彼のの姿を見て安心したように息絶えてしまった
ギースはその部下の血を触りながら迷子の子供のように不安そうな顔で周りに声をかける
「医者、医者を・・・医者はいないのか!?
・・・・こいつらまだ生きてるんだ、生きてるはずなんだ・・・・!
頼む・・・・・・・助けてくれ・・・・」
それでも周りには自分一人誰もおらず、ただただ車から放たれる炎の轟音と風の音だけだった
ギースは無力な自分に絶望して、力なく座り込む
ただ掴んだのは・・・・血で固まった泥団子だけだった
「・・・・・っ、うああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
最初のコメントを投稿しよう!