エピソード1、ギースの場合

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ある国の施設 そこでは、男たちが外で整列し目の前の男に耳を傾けていた 「では、今日の訓練はここまでとする!各自休憩をして明日からの任務に就いていくように!」 「「「「「「「イエス、サー!」」」」」」」 軍服を着た青年・・・・ギースは目の前に整列している部下たちに張りのある声で告げると部下たちもそれに答え敬礼し、途端に空気が緩まり各々が散っていった その様子を見てギースもいったん息をついて肩を回した 「ふぃ~~、終わった終わった」 「あ、隊長!お疲れさまっす!」 「お疲れ様です」 すると、先ほど列に並んでいた少し幼顔の青年と眼鏡をかけた少年がギースに話しかけてきた 「ん?おお、おっかれさん。ええ、と?ニトロ・・・と、カールっつたか?」 ギースの言葉に青年はパッと顔を明るくして敬礼をした 「あ!そうです!最近配属されたNO.683、ニトロって言います!よろしくお願いします!」 「同じく、NO.788、カールです。よろしくお願いします」 「おお、よろしくな。この部隊の隊長であるギースだ 名前でも隊長でも好きに呼んでくれ おれも、ナンバーよりは名前の方が好きだから名前で呼ばせてもらうしな」 ニトロは自分の名前を呼んでもらったことがうれしかったらしくニコニコしながら話をし始めた 「嬉しいなぁ!ギース隊長に名前覚えてもらえているなんて! 俺まだ配属されたばっかりだから周りに名前覚えてもらえてなくて・・・」 「ま、ゆっくり慣れていこうよ。 明日から実地任務だし、ここで活躍したら名前覚えてくれるかもしれないよ」 ニトロの隣にいたカールが眼鏡を触りながら言う しかし、ニトロはさらに落ち込んだ顔をして呟いた 「でも俺まだ能力のコントロールを完璧にできないからちょっとばかり心配なんだけどなぁ・・・」 「まぁまぁ、僕だって能力的に攻撃タイプじゃないからこの部隊にいるのは少し心配なんだけど、色々頑張っていこうよ」 「う~~ん、でもなぁ・・・」 不安そうに落ち込むニトロに慰めるカール少年 年齢が離れているといっても、お互い同期で入ったということで仲がいいのだろう しかし、年齢としてはニトロが年上なのに精神的にはカールの方がずっと大人に見えた それを見て軽く笑いながらギースは2人に話しかけた
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