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ギースの言葉に、少し落ち着いたニトロは安心した声で息をついた
「本当に、ここまで来るまでにかなり苦労しました・・・・
でも、ようやくこの力が国のために発揮できるかと思うと今から嬉しくてうれしくて」
ニトロは嬉しそうに自身の黒髪を触りながら話していく
その姿に、随分と待ち続けた様子が伺えてギースもクスリと笑った
「だが、喜びすぎてへますんじゃねーぞ?
戦争は、帰って布団に入るまでが戦争だからな」
「遠足よりもハードですね」
カールが苦笑していると、金髪の青年が話に入り込んできた
「ちわ!俺はNo.611、クライスってんだ!
これからよろしくな!」
「あ、よろしくクライス。
俺はニトロっていうんだ」
「僕はカール・・・よろしくね」
2人の軽い自己紹介に気をよくしたクライスは更に2人の事について聞き始めた
「なぁ!お前らの能力っていったいどんなの?
明日から実践なんだから事前に教えてくれると戦闘もやりやすいし!」
「おい、そういうんは隊長である俺がする役なんだがな」
「かてーこと言わないって隊長!まずは、ニトロ・・・ぐりせりん?」
「それじゃ、爆弾の材料だよ・・・
・・・おれは『ウォールボム』って能力で壁や床を触った瞬間に爆発させる能力なんだ」
細かく言うのであれば、ニトロの能力である「ウォールボム」は発動した瞬間に物体の一番もろい所を見抜く能力だ
また、発動の際は腕力も格段に上がっており、そこに自分の拳をつけることでまるで爆弾を仕掛けたかのように物体は崩壊、その威力のあまりで周りのものを吹き飛ばしていく
「へぇ!結構な技だな」
「でも、発動した後に爆発させるものを見る、触る、爆発させる。っていう過程があるからちょっと手間がかかるかな」
「成程な。おい、そこのおやつみたいな名前の奴は?」
「・・・カール。だからね。覚えておいて
僕は『ミラーカウンター』相手の力を何倍にもして返す技だよ
銃でも、大砲でも、ナイフでもすべて何倍にも威力をあげてから跳ね返してあげるんだ
逆に威力を内側に反射させて縮小させることもできるよ
でも、これは僕からの技は出せないから相手が攻撃してくれない限りは何もできないけどね」
「一長一短って感じの能力だな」
「それでも、使いようによってはかなり力になる技だとは思ってるよ」
カールの説明を聞き、なるほど、といったような雰囲気でクライスは首を頷かせていく
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