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それでも仕方がないので履修届を提出
しようと歩いていた。
キャンパスの一番人通りが多い一角では
新入部員の勧誘が行われていた。通る度に
何度も声をかけられるので杏奈は辟易して
いた。そのとき、向こうから歩いてきた
男子学生に声をかけられた。
「君、マネージャーにならない?」
「はい?」
その顔を見上げて、彼女は驚いた。短く刈り
込まれた髪、涼やかな目元、脂肪のほとんど
ついていない細い体躯。見たことがある。
「あ、駅伝の…。」
「箱根駅伝見てたの?」
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